遅すぎた青年期の終わり/北村 守通
振り切れずにそのままにしていた約20年近くを
2日間で片付けた
どさくさに紛れて様々な思い出も放り込まれて処理されていった
それを横目に見ながらも
もう二度と手に入れることはできないはずであるということもわかっていながらも
止めることはできなかったし
またそれがきっと生きていくのに必要なことの様に思われた
年齢を積み重ねると
空き容量は少なくなっているのだから
きっと効率的に動かなくてはならないのだ
がらんどうになった部屋を目の当たりにして
初めて訪れた日を少しばかり思い出したが
涙腺がどうのこうのというのはやはりなかった
がらんどうになった部屋
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