しそう/茶殻
まで船を出してくれる慈悲深き物好きがいるかどうか
感情が焦げた骨にこびりついていることを考えるより
抜け殻を飛び出して凪いだ海に飛び込んでいく私の影を考えて生きていること
それで私の海洋葬への切望は満たされている
無縁仏の言葉に耳を貸すのは
なにか打算があってのことなのでしょう
荒野は誰の庭か
この国に荒野はもうないのか
海に散骨して欲しいと願うに至る別の理由に
今思い当たる
頑なに閉口を追い求める墓の中に
海兵とカモメを閉じ込めたスノードーム
ひびが割れて
真夜中の水族館から逃げ出す
衝動に羽が生えたところで飛び回った末にいずれ帰ってくる それは自由と呼べたものではなく
私のせいかつは諸々の普遍的事実に彩られ
柔らかな花弁の変色に
ささやかな自由を夢見る
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