背伸びして窓をふく/石田とわ
夜更けに降った雨はあがった
そらはどこまでも透き通り
青く高くひかりに満ちる
さぁ腕まくりして窓ふきをしよう
透き通るほどにぴかぴかに磨きあげ
たくさんのそらをこの部屋に呼び込むんだ
五月は命の匂いがする
街は彩られざわめいている
なにもできないと膝をかかえ
うずくまっていても仕方がないじゃないか
ざわめきを溢れかえる色たちを眩しいひかりたちを
顔をあげて受け止めよう
たくさんの命にかこまれた
愛すべきこの日々たち
ベランダで脚立にのって背伸びすれば
すべてを磨きあげることができるだろう
愛しいものを愛しいままに
こころから受け入れよう
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