退屈な自我/……とある蛙
季節の変わり目に窓の外を眺めている。
外は雨 外出
細い両目から差し込む光の筋
不足するイメージの光量
暗い頭蓋骨の内部を照らす
プラネタリュームは暗く
毛穴ほどの大きさの星の光のみ
僕の頭蓋骨の内側は漆黒の闇に近く
何の映像も浮かばない
両目の窓から見える外界は
グロテスクな風景
魚の骨のような並木
舗装されていない泥の道
黄色の空
その道が空に向かって畝って登っている。
道を疾走しようにも
僕の両足の付け根は
瘤に様に膨らみ回転しない。
耳から聞こえる音は猥雑な音だ。
擦り切れた金属音で
低い周波数だが、下腹に響く
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