運送/石川和広
これだけに物申したいことがあっても、冷凍倉庫の中で、この三十年間、だろうか、それは幾筋もの、午後の曳航にも似た、時間の影像パックが、幾本も幾本も、まとまらないチューブ。
素手で、触ると張りついてしまう。
つめたいから
つめたいから
つめたいから
私から感じて、この傍観服を脱ぐと、私は、皮膚が凍りついって、ただれてしまう。
確かに、鍋を囲む、あなたたち血をわけあった似苦肉人たちよ。
私の魂は
あなたたちは暖かいと信じているのが
着火する
煮込む
取り皿
わかるのだが、感覚は、空間に息をねじ締めるまで伝わりますよ、私は。こんな言い方、長にはしたくないもの。
だからって
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