白紙に降りる/
ただのみきや
まるく
表面張力で
膨らんだ一滴の
想いがいま落ち
触れる間際
はじけ
残像のように
ゆ っ くり と
四 散 し て
消 滅 す る
ニ イ ノ リ
ジ ロ キ
降り注げばそれは
水墨画のよう
死の痕跡から
浮び上がる幽霊に
くっきりと陰を描き込み
固定する
それは
目から侵入し
宿主の記憶と感性を食みなが
呼吸する
やがて
新しい意味を孕み
一つの惑星を産み落とした
まるく
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