ランダム/木原東子
間を見たら
まだそこにいて金色だった
どうしてそこまでの金色
どうしても自分から逃れられない
これが才なき証拠の 受け身の固執
不甲斐ない自分、押されてばかりだからこそ
君の弟たち おかげさまで
ギリギリの線で歩んで行くよ
男なら命の限り開発部隊
夕べの月のメッセージは
その「楕円」の軌道の
一番地球に近い場所から であったそうな
楕円の軌道が
あみだにかぶった帽子のように地球にかかる
そのてっぺんから満月がのぞく
辛くも見える金の円盤
満月が存在しなかったら
理不尽な衛星と思ったかも
余りに大きく明るい
中天に
星すら薄れてしまった
と
西空から きらきらと宝石のような 飛行機が飛んで来た
まっすぐに
狙ったように当たった
金色の表面を見事によこぎった
暗い影なりにきらきらしながら
自転車じゃない ETじゃない 地球人だけど
なにかに出逢った たしかに
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