崩れかけた意志/番田
居酒屋の片隅では寂しい言葉ばかりが繰り出されていた。これからどうするべきなのだろう。わからなかった。考えるにしても、何かを望むにしても、とてもつまらないのだ。長い間抱いていた、マトモな会社に入りたいという願望も、もはや尽き果ててしまった。色々な人から借りた借金も返さなければならない。どんな国に行こうとも、そこで何をしようとも、あらゆる全てが虚しいことのように思える。それは借金によるものなのだが、他人への憎しみのようなものとして、今の僕にはそれはある。こうして貴重な時間の合間に誰も読まないような言葉を綴ってみたとしても、苦しみがよい方に変わるというわけでもないのだ。それにしても、僕は疲れる人間だ
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