明日の唄/葛西曹達
僕らなんて所詮
古き良き時代の残滓でしかない
生まれたときから
正しさも切なさも知らず
ただ数式と活字の中で
ぬくぬくと生えただけ
自立せぬ考える葦
立ちすくむ足
手と手 目と目
どこかでつながるのなら
早々につながりたい
助けを求めても
手はポケットにつっこんだまま
大動脈を回遊して
陽はまた沈んでいく
僕らが大人になって
何が変わるかもわからず
明日を待つだけの明日を
今日も変わらず待っている
晴れたらいいな
雨でもいいや
変わらぬ頭で
変わらぬ明日を望む唄
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