パステルカラーの墓標/
たいにぃぼいす
まだ靴底に雪がこびり付いているまま
ショッピングセンターで迷子になった
目線という目線が殺しにかかって来る
母の気配に振り返れば見知らない主婦
靴屋の冬靴のゴムの匂いが季語になり
季節感の喪失を穿たれた胸に埋め込む
ナイフで切り裂けそうな高密度の空気
直立不動の壁は獰猛なパステルカラー
無関心なパステルカラーの墓標だった
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