家/
中川達矢
雨はやわらかい線をともなって
ねむりを誘い
さそり座のアンタレスが輝くころには
夏らしい秋がおとずれている
今はししが野にかえり
地の上を歩く季節
かえるは家を守ることなく
足の吸盤を田で洗う
一人は二人、二人は三人という
自然法則に従って
子孫が親となる
いまここから見ている
月が太陽の光に添うように
やどるがつづく
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