カーテン越しに見える太陽の光がいつもより明るく見えた朝/雅寛
 
伸びた君の後ろ髪を櫛で通すけど、
もう二度と戻りはしない時は何時も残酷で、
君の後ろ髪を櫛で通す度涙が溢れるだけ。
戻りたいのに、
還りたいのに、
―君は微笑ったまま。―

もう夜は明けて、
辛い昨日は今日に成るから。
カーテン越し太陽の光を感じた今日という朝、
少しだけ、
ほんの少しだけ前に進めたから。
君が居ない日々は悲しいけれど、
辛くなれば何時でもこの薬を飲むから。
「何時でも君に会える日を待ってる……。」
夢の中でそう囁くから。
もし今度君に会えるとしたら、
その時は君に言うよ。
酷く歪に、微笑って。
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