カーテン越しに見える太陽の光がいつもより明るく見えた朝/雅寛
涙、君が居た夢の中。
目が覚めると、昨日と同じ夜中の2時。
思い出に縋って泣いていたんだ。
眠れない、夜。
きっと僕は君に成りたかったんだ。
無情な日々の年月は僕にとっては短過ぎて、
気付いた時には、君は向こう岸で微笑って居たんだ。
だから僕は向こう側見えない振りをしていた。
空しい日々が繰り返すだけのあの頃、
君と別れる日が悲しくて手首の脈の音を数えていた。
君が居て、僕が居て、
何も分からない内に思い出を作っていって、
僕は僕が気づかない内に君に少しずつ惹かれていって、
日常の隙間に君の良さも悪さも見つけていた。
そんな日々に戻りたくて、―――あの頃より長く伸び
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