砂浜の奥で/長押 新
 


かいすいのなかのつぶは
ひとつとしておぼれてはいない



小さな子供が、星の矢に射られ、
浜辺の町の大人が、
空を向いて祈り始めた、

(その間にも子供の胸は砕かれ、
背中の方へ心臓を押し込まれる、
しまいには反対側から
心臓の音が聞こえる、)


「もし、神様がいたら?」
「神?GOD?GOTT?□□□? お祈りには行かない」
「なんで?」
「体を取られたくないから」


浜辺の町では、夏にも草木は黄色のまま、海にも雲が架かっている。子供たちは、靴を履いて転がっている。裸足のまま、砂浜を歩いている。わたしの足は、子供たちのそれより深く、沈み、熱
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