咲きゆく/砂木
通う眼差しに灯せない夜はない
瞑り日 損なわれた約束は
名を変えて ほどけつづける
折り返しみつめた指の先も
ひとつひとよ のばして重ねる
掌のまま さしだしても
届かないものに でも 明日がある
昨日見ていた夢の 今も夢の中
休み休み 凍えを溶かして
塞ぎこむ朝 小鳥の声に
答える気持ちで 陽射しにまどろみ
行方知れずでも 未確認のままでも
それぞれに枝は芽を持ち 幾度も望む
咲き損ねてもやすらぎに朽ちる
いつかの誓いから何万光年待ち続け
逆らえずに みつめあう空のまた空
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