命の終わりを思う時/いぬぐす
こころ ひたひたと水に浸かって
浮かんでこない
ぎりぎりの水深は
息をするだけで精一杯
酸欠の頭で見た人は
悲しさの中に喜びを求めているようで
こころ そっと沈んでいって
光の刺さない場所まで
いっそこのまま
溺れてしまう
流されてしまう
砕けてしまう
こころ ぼろぼろになって
思い浮かべる人は
もう目の前にはいないのに
こころ 底にたどりついて
穴についてる栓を抜いた
水は一気に穴に吸い込まれて
こころも吸い込まれて
宇宙を漂っていた
もう息をする必要は無かった
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