首 ?/マーブル
 
無口な果実は震えた声でこう云う
「果てで殺して」
泥の味が地べたに横たわっている部屋の空気
ベッドに寝そべったあなたはこう云う
「憎くって仕方ないんだ」


生憎愛想のないわたしはもうちっとも怖くなんかなくて真っ白なゆめに溺れている
罪だの傷なんてものはモノクロ写真におさめておけば楽になれるから
底に落ちれば最高だななんて考えている


もうなにも聞こえないし期待していないから月はもうすぐ塗り変えられるだろう
それはどんな色をしているかって
もしかしたら黒い虹色かもしれない
海辺で見えた鳥は銀河に滑りながら星を幾つも並べて玩ぶから
愛しくて哀しくなってるわたし

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