ホタルの小川/吉岡ペペロ
 
部室から下宿街に抜ける道には

小川が流れていた

少し生意気で

先輩とだけうまくやっている風のあいつと

はじめてそこで喋った

あいつはホタルを探しながら歩いていた

このまえ見たのだと言う

しばらくふたりで佇んでいた

あいつのポロシャツから

ほのかに洗濯の香りがした

それがホタルのような気がした







戻る   Point(3)