首男(三)/たもつ
 
 
 
都会のカラスが都会を飛ぶ
そして都会の彼女は
赤いハイヒールで
都会を軽やかに歩く
空が飛べないのはきっと
背中の羽が邪魔だから

そんな彼女は
首がない、ただそれだけで
ぼくがぼくであることに気づかない
いつものように手を繋げば
気づいてくれるだろうか

ためしに自分の右手で
自分の左手を握ってみるけれど
それが本当にぼくであるのか
何の自信ももてない
 
 
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