キャロットは甘い月の形/マーブル
 
夜風 わたしの葉脈まで冷やすのかしら
目がさめちゃった午前二時半に キャロットは甘い月の形をしているわ

ぺしゃんこ わたしの心臓 野良猫の肉球みたいにふやけている


月明かりが
充満した
公園の
ジャングルジムで
煙草をふかす
あのこの
目は


エメラルドの森に続くゆめみがちな少年のような
青黒い風の無数の声のなかにいるんだって


なみだなんかいらないよって泣いた
四月の終わりは!


「カサブタだらけなんだぜ」





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