松島・石巻小品集ーおくのほそ道をゆくー /服部 剛
 
豆らんぷ等と思ったが 
真昼の椿の葉群であった 

つくし等は寒そうに震えているけれど 
茎はまっすぐ天を指さす 

しゃかりきに眼下を横切るありんこに 
「がんばれよ」と言い、我は歩まん 

旅先の日和の山を巡りつつ 
桜のつぼみと夢を語らん 

亡き人よ、地上に立った僕達は 
肩を並べて第九を詩う 

目に視えるすべてのものが、詩なのです。 







戻る   Point(2)