松島・石巻小品集ーおくのほそ道をゆくー /服部 剛
松島の丸い湯ぶねに身を浮かべ
きらりと笑う枯葉舟かな
さやさやと幹に映る光と影は
旅する我の心鏡(しんきょう)となり
歓びを天(そら)いっぱいに広げてる
白、白、白の木蓮の花
蟻々の働いている石段を
登ってゆけばあかるい神社(やしろ)
門前にでんと坐った石蛙
日をそそがれて目玉は潤み
御仏は瞳を閉じて、目をあわせ
叢(くさむら)に立ちよろこんでいる
松島の海にはばたく鴎達
自由を詩(うた)いあぁあぁと鳴く
ゆらゆらと身をゆらしてるほそ柳
又三郎が、あらわれそうだ
電飾の豆ら
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