ハンカチ/草野春心
 


  ガラス製の灰皿が
  テレビの色に瞬きしたとき
  遣る瀬ない日々に君は
  重たい欠伸を隠した



  朝陽は
  その優しさを
  皺くちゃのハンカチに包んで差し出す
  君は、生まれつきの拙さを
  セーターの黄色い糸の
  どこか可愛らしい場所に
  そっと
  編み込んだ



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