師匠のお言葉/
たにい
樹が一本立っている
背は私よりはるかに高いが
胴は私の太腿ぐらいしかない
幹の高いところから十数本の枝を生やしている
それぞれの枝の先には緑の葉をつけて
灰色の空に顔を向けて雨を飲んでいる
思わず聞いてみる
ひとりぼっちで淋しくないかい
それが答えるには
真直ぐに生きてゆく
太陽に向かって
ただそれだけさ
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