いつかは虹を見るだろう/
ただのみきや
バス停から国道を挟み
見上げれば家の辺りまで雲が下りていた
目線の低いところをこどもたちが駆けて行く
小鳥の群のようににぎやかで楽しげだ
帽子にランドセルにジャージに靴
鮮やかで明るい色たちが咲き乱れている
コロコロと足元に日向の匂いが転がってきて
すこし 緩む 顔も心も
やがて ふっきれたとばかり
あっけらかんと青空が笑うだろう
「過ぎてしまえばあっという間」
すり抜け際に 風が肩をたたいて行った
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