一部が全体/竜門勇気
 

ある人が僕の部屋にやってきた
そして
君の部屋は男の夢を叶えたもう神の御技という
ここにあるのは
長いコード
長すぎて僕自身何に繋がってるのかわからない

ある人が部屋に顔を突っ込んで
喋ってみせる
この部屋はあまりにもたばこの煙に燻され過ぎてる
ここに足を踏み入れるのは嫌
そう
ここの窓はヤニに閉ざされて誰にも開けられない
ただ僕の肺の内と外を行き来する気体が漂う場所

人が一人来て言う
この本棚には読書に耐える書物は無し
曰わく
擬似宗教と擬似科学と擬似文学の住処である
おそらくこのへやの住人は擬似的な人間であろう
その通り!
彼は僕すら擬似現実に
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