黄金の花嫁/ただのみきや
 
上がりながら
さらし者になってね 現世に灰も残しはしないんだ
道の果てにある
時が永遠へと流れ落ちて行く 無限との境界
聖なる祭壇の下へとね


美しい朝焼けよ おれの朝日よ
この朝が明けきらぬ間に おまえは燃え落ちろ
汚れなき朝のままに死んで行け
おれを道連れにしてかまわないから
永久凍土から掘り起こした
死んだ犬にすぎないが
残りの情熱の全てを血のように注ぐから

燃え尽きろ

燃え尽きろ

燃え尽きろ

燃え尽きて


犬に曳かれた老人が
壊れた荷車みたいに通り過ぎて行く

白々と唯物の街が起き上がり
ニュースを流し込んでいる

いつもの今日が無表情に
髪を撫でつけている

取り残された男が一人
空き缶のように風に転がって

 

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