黄金の花嫁/ただのみきや
 
朝日はね
特に良く晴れた日の朝日はね
そりゃあもう別嬪さんで
たったひとりで見ていると
もったいないような
独り占めできてうれしいような
不思議だね おれは
新しい朝と結婚したくなっちまうんだ

深い淵からね
閉ざされたまま浮かんできてさ
ほんの少しだけ扉が開くの
まるでビーナスの貝みたいにね
するとね 濃紺を下から破るように黄金の矢がぱっと放たれて
生まれてくるんだよ 夜の卵から
花嫁がさ

すると海原に黄金の道がゆらゆらと現れてさ
焔と群青の対極に広がる
なめらかなグラデーションを纏った朝とおれは
腕を組んでさ 渡って行くんだよ
松明みたいに燃え上が
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