Jes/mizunomadoka
母は肉体と魂が徐々に離れていくものだと言った
こうして話をしているときにも
食事をしているあいだにも
離れていくのだと
だから私たち姉妹は
祈りはそれを遅らせるものだと思っていた
不思議と
防げるものだとは思っていなかった
母は私たちに祈ることを強制しなかったけれど
母が祈っている姿を見つけると
私たちも膝をついて祈った
母がいつまでも元気でいますように
3人がいつまでも一緒にいられますように
ある朝母が、実ってないトマトの子供を
祈り摘んでいる姿を見て
離れたがっているのだと理解した
魂だけになりたいのだと
妹に梯子を支えさせて
私は隣の家
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