うたのはずれのうた/梅昆布茶
 
あるひめざめたら
さびしいにんげんが
さびしいにんげんのあしを
ひっぱっていた

高級なこどくが秤にのって
じぶんの重さをはかっていた
うしろすがたをみるとかみさまだった

あるひめざめたら
のうしゅようの友人は亡くなっていて
毛布だけがのこっていた
その痕跡がいちばん彼らしかった

あめのハイウェイはせかいを
静謐な残酷さで満たして
ゆっくりと墜落してゆく天使が
みえたきがした

せかいがたったひとつの言葉から
なりたつということもありうるかもしれない
それはいま沙漠のすなのなかにうもれてしまって
だれも気がつかないだけなのだ

あるひめざめたら
つくえの引き出しのなかで
せかいが死滅しているということもありうるかもしれない

そしたらこんどは
だれが世界を造ってくれるのだろうか?


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