棲魚/アラガイs
排出に腐った緑の、黒いとも、白いとも、水、水、水は、あるかないかわからない水槽の中で、何も食べず、吐いた息を見殺しにして生きていた
わたしを
皮膜色の眼で見つめていた
失うもの、その感傷的な記憶
これは以前にも感知された
脳深く潜む、どこか歯応えのない感触
微かに残る不安が、
、 身に覚えのない朝を迎える
いつものような陽が、窓辺から射し込んできて
レモン水の泡に目覚めるのか
それとも、夜の続きを引きずったまま
魚は眠るのか
生ぬるい感触とは、そうした出来事の予感でもあるようだ 。
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