FATE/文字綴り屋 ひじり
 
君はもうすぐドアをノックする
そしてドアを開けた僕を見て
にっこりと笑うはずさ

僕はすばやくドアを閉める
そして腰に左手を回して
にっこりと笑うだろう

「元気だった?」なんていう言葉よりも
確かめるようなキスが先だろうか
それともじっと瞳を見つめて
壊れものみたいに頬に触れてしまうかも

ああ わかっているさ
君は僕に護られるだけの人形じゃない
いつでも一緒に泣いたり笑ったりする存在だと
だけど僕は君のその瞳に美しいものだけを映していたいんだ
君のその手には綺麗なものだけを触れさせたいんだ

でもきっと君は醜いものを見たとしても
決して目を逸らしたりしない
君はどんなに歪んだものに触れたとしても
きっと手を差し出すだろう

だからこそ僕は君を護りたい
僕の傷だらけの手を優しく包み込み
僕の激しく鼓動する体に触れてくれるなら

たった一人の男になる

それが僕の運命だと囁いてくれ
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