時間少女/マーブル
 
時間少女は宇宙浴槽のなかでうたた寝
水浸しの朝はシャンパン雨のなか
ブーツに子猫がいて可愛がっている
見えない月をおもいながらはしゃいでる
桃色のブランコ漕いで黄昏の光景のなか
滲んでいるきみを仰いでいる
雲の切れ間から太陽のタンバリンを
目の奥やきつけて
流星のしっぽに乗ったら
終わらない世界の夢みている


ミモザに聞いた風の在り処を
風は見えないからいつでもいてくれるんだって云う
時間少女はいつも懐中時計をぶらさげて
こんなことを考えている
焼き立てのパンの匂いがする間の時間は
オカリナを吹く時間にしようって
もしも雨が降ったらベッドの下に隠れている

[次のページ]
戻る   Point(3)