雨鴉/鎖骨
張り裂けそうなほど痛むこの胸の秘密は
切なく遠く決して叶わぬ甘い恋の予感
なんかでは勿論無くて
次の仕事が見つからないから
今の仕事を辞められないから
適性が無いことがはっきりと分かっていながら
生活のために僅かな賃金に縋って惨めに働くことの
どんなにつらいことか君分かっているのかい
と雨中の鴉にどれだけといた所で何も解決しない
慰みに言葉を繰って遊ぶことさえも憎くなるような
不出来な世界の不出来な仕組み
(僕が適応できないだけだ)
喜びだって伝わらないのに
悔しさに滲んだ痛み苦しみを
どうして他人が分かってくれようかと
別れ際鴉が
呟いたような気がした
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