出社日/ズー
僚が冷やされた。
いいかい?そもそも誰も出社して来ないじゃないか!と運河の対岸では社長が怒鳴り散らしている。お姫様は、見目麗しい草原で王子様のような同僚を待っています。当社では滝壺に飛び込むと立派な大人として認められるのよ、と珈琲を運んでくる。冷やされた同僚は一息に飲んで黄色い滝まで引き返した。声の枯れはてた社長が見ている。バナナを食べているやつがいて、報告書の続きが書けない女の子がいる。私よりも私にくわしい王子様はいずこかしら?滝壺から生還して認められた大人が振り向いた。
おかしなことに、ぼくは自宅を出たばかりだから遅刻するだろう。本流だとおもっていた運河はバナナの皮でした。同僚は滑って転んでいる。8時間労働をおえたように隣家の風鈴が煽られていた。
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