セレナイト・ローゼス/
こん
昼は相変わらず熱い大気がさみしさを蒸発させた
夜は星の奏でる調べが魂をつれてゆく
時は過ぎ
運命の出会いをした街のふたりも
とうの昔に過去のひととなり
木陰の石の下にふたり仲良く眠っている
時は過ぎ 時は過ぎ
砂漠には
はりつくように潅木が生えている
一陣の風に砂が流れてゆく
たったひとつ
薔薇のかたちの石
石
平凡なローズ
きみがいた、というたったひとつの
証拠
戻る
編
削
Point
(2)