賢治の影絵 /
服部 剛
障子に無数の白い桜が舞っている
流れてないのに流れてる
風の姿であるように
旅先の花巻の宿にて
窓から射す日向には
あの黒い帽子を被りうつむいて
畑を歩く賢治さんの影絵が
すーと過ぎてゆきました
(今日という日は夢であり
夢というのは今日であり・・・)
在りし日の詩人の姿を追いかけて
一面ましろい雪に覆われた
イーハトーヴの国へ
(賢治さんの眠る墓前を目指し)
旅の一歩を、踏み出します
戻る
編
削
Point
(3)