万の葉の煌き/wako
 
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チョークが飛んでこようが
ゲンコツが落ちてこようが
眠いものは眠い
教壇から届く声は
しだいに消えていき
酸素の足りない魚の様に
先生の口だけがパクパクと動く
教室の隅で睡魔に襲われて
私の頭は垂れていく
かろうじて耳に残ったのは
迷い込んだ蜂の羽音と
語尾が消えていく先生の言葉
「今は何の役にもたたないけれど・・・」

  過ぎ去った話など
  何の役にたつの?
  今さらなぞったところで
  何が学べるの?
  遠い昔の
  知らない人の喜怒哀楽など
  活字の化石かミイラ同然
  役に立たない話など
  退屈な講義など
  寝る
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