背徳の朝/mm
夢ではまるでタブーみたいに
でも可笑(おか)しい
夢には禁忌なんてない
だって、夢は存在しないのだ
想像力は唯一の自由で
人間最後の不可侵領域
なら、どうして跳んではいけないの
なぜ、なぜ、なぜ
わからない
もっと跳んでいたい
もっともっと、もっとたかく
戻れなくたってかまわない
だってほら、こんなに跳べるの
こんなにたかく跳べるの
誰も知らないあの空を
越えられるかもしれないの―――
でも
気づけばわたしは跳ぶのをやめて
布団の中で恋人のように目を覚ました
ふと思うのは
もしかすると、それでよかった
まだ、時ではなかったと
もしかすると
もしかすると
あの空の向こうは
開けてはならない
パンドラの匣?
戻る 編 削 Point(2)