背徳の朝/mm
今朝、
わたしが見たのは空へ跳ぶ夢
空はたしか温(ぬる)い灰色だった
風はきっと水の気配がした
見慣れた町のコンクリを蹴って
ふわり
跳ねる、跳ねる、跳ねる
段々高く跳んでゆくの
たかくたかく、もっとたかく
戻ってこれなくなりそうだったけど
止めるには惜しい優しい快感が
まるでセックスみたいに
スッゴく、キモチ悦くって
『快楽夢』
ふと隣の少年がつぶやく
それは良いことだろうか、
悪いことだろうか
夢で快楽をえるのは
イケナイことなんだろうか
現実では当たり前のことが
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