最後の画家/朝焼彩茜色
 
草草をすりつぶし 黄金のキャンパスに 乗せてゆく 
エメラルド色の空を

瞳の色を心にしまい
エメラルド色に 空を乗せてゆく

緑のあふれる世界にしようと

 最後の画家
 
 英雄も名誉も 草草と一緒にすりつぶし
 エメラルド色の空を 創ってゆく

緑のあふれる世界にしようと

 空想の中に佇む願いは 魔法も効かず
 
 想像は最後の画家に 願いを託し 役目を終え
 別の平和途上の世界へゆく


  どれ程の草草をすりつぶしたのだろう
  
  申し訳なく 土に水をやる 雨乞いの歌を口づさむ 最後の画家

 謝罪を心して受け取る エメラルド色の草
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