うみだす/marux2
生まれるということは
生み出すということで
それなら遡ろう
父に初めて恋人ができたあの頃へ
母が初恋をしたであろうあの頃へ
祖父の祖母のそのまた先祖の
過去へ
過去へと遡り
愛の歴史を辿り
辞書がその存在を失い
言葉が人の内に囚われ
人の内から想いは溢れず
体の隅々まで行き渡っていた時代
想いという未知なるエネルギー
その名付け親達
名付けられては体を離れ
また一つ
もう一つ
想いが解放されて思いとなる
そんな時代を見て
今へ戻り
生み出そう過去の類似品
膿み出そう
腫れ物程度の愛を
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