柿の実/
わすれな草
新芽の出かけた柿の木に
季節はずれのしわしわの柿の実が一つ
落ちることなくあの嵐にも耐えて
だれにも見向きもされないところで
静かに生きている
それは確かな生の営み
あと何日生きるのか
柿の実はわかっているのだろうか
ただ今日を力の限り生きている
その柿の実に私が見える
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