柿の実/わすれな草
 
新芽の出かけた柿の木に

季節はずれのしわしわの柿の実が一つ

落ちることなくあの嵐にも耐えて

だれにも見向きもされないところで

静かに生きている

それは確かな生の営み

あと何日生きるのか

柿の実はわかっているのだろうか

ただ今日を力の限り生きている

その柿の実に私が見える
戻る   Point(1)