連続する増幅、扁桃腺の様な幻/ホロウ・シカエルボク
脾臓に隠れたものが一番正直な感情だ、駱駝色の夢が見たくもない動機を浮き彫りにするころ、短いうわ言の隙間に考えてはならない衝動が見え隠れする。有無は問わず。亡霊的な位置に甘んじている肉体がシニカルな認識を自嘲的に語り、連弾されるピアノの様な心臓のハイスパート。浅い息。切れかけた蛍光灯の催眠術めいた明滅…強情な異物を強制的に排除しようとしてるみたいに、異常な増幅を時折繰り返す血管。荒唐無稽な浸透を受け入れて、奇形化してゆく脳漿の配列…扁桃腺の様な幻が中空で回転している。どこを軸にしているのか判らない。接円を次々と描いていくみたいに跳ねまわっている…ごく稀にカーテンを凌辱するハイ・ビ
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