真っ青な空の真ん中で/三原千尋
 
空の真ん中に立ってみる
真っ青に晴れた
空の真ん中に立ってみる

なるほど空は晴れてはいるが
どうせ遠いし関係ないし
なるほど空は晴れてはいるが
地上じゃ風が暴れているし

森は
シダの匂いもするだろう
畑は
土の匂いもするだろう
しかしこんなに切り裂かれては
拾うことすらできないじゃないか

目と
鼻と
耳とを風に殴られて
何も感じ取れない僕は
まるで泣いてるみたいじゃないか

それでも僕は
空の真ん中から動かない
陽も
花も
切り刻まれて泣いていても

真っ青に晴れた
空の真ん中に立ち尽くす
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