1994年5月1日/HAL
たのが原因かもと非公式に語ったが、FIAさえ徹底的な事故調査を行ったが原因はいまも謎のままだ。タンブレロにきみの名が冠されたが、果たしてきみは歓んだだろうか。嫌、決して歓ばなかっただろう。しかし、翌年から大きな事故でもパイロットの命を護るべく車体設計のレギュレーションと実際のクラッシュ・テストがとても厳しくなったことだけは、18年の歳月は流れたけど、きみはきっと歓んだろうと、ぼくは想っている。あれから誰ひとりとしてコースで散ったレーサーはいない。ぼくはサレブレッドが骨折して慈悲であることは分かっているけれど安楽死させられる姿とレーサーが事故で散るのを絶対に見たくないと想いながら、競馬のG1レースとF1グランプリを観ている。
戻る 編 削 Point(5)