名札と切り札/
朝焼彩茜色
穏やかなる心臓
心という名札を付ければ
心はここよと 迷う必要もなくなる
至らぬ刺激に 春風が窓枠から
四角の形で箱にする 心の部屋
悠然に流れる ドクン ドクン
弱肉強食を元の配置に送る
スミレ色の階段の踊り場の 雲は
わだかまりを ふにおとす様に 一滴の雨をもたらす
穏やかなる心臓
心という名札を付ければ
心はここよと 休憩箱を差し出してくれる
切り札のトンビは 穏やかなる心臓のまま
煩わしさを 捕まえに スミレ色の螺旋の中に消える
戻る
編
削
Point
(2)