みなそこ(X)/投稿者
 
っているのでした
 
ぱしゅ ぱしゃん
ぱしゅ ぱしゃん
 
薄闇に自動改札機の音だけがこだましています
いまも人が幾人も
往来しているのでしょう
外から内へ 内から外へ
 
ぱしゅ ぱしゃん
ぱしゅ ぱしゃん
 
切符係には通り過ぎる人々が見えませんでした
思わず
誰か
と声をかけそうになりました
けれど返事の無いことが怖くて
なにより彼女は切符係でしたので
また黙って俯くのです
 
カップに残った冷えたコーヒーをすすり
男のように見えるその切符係は
今はもう使わなくなった切符鋏をかちゃかちゃさせて考えます
 
人の顔を見なくなってどれくらいにな
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