春へ/
めー
四月を追いかけて四月に転落する
「僕たち」は「僕たち」のままで歩き、
「僕たち」のままでいなくなる
冬がとけていく
春が春に春を春よ
濡れたアスファルトを引っ掻いていく自動車の群れ
時間が、線分のようにひかれていく
春へ
転ばない「僕たち」が、
だけど落としていった、僕は
ひと知れず排水溝に流れて
ゆるゆると下水管を腐食させていようと思う
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