街灯/雅寛
 
目に見える光を求めて、
街を彷徨って居たら、
何時の間にか此処に来てしまったんだ。
左目隠した僕は、
街灯の下、君の影が伸びているのに気が付かなかった。
人形抱いた君の冷たい目が、
何か言うけれど、何も言えなくて、
虚ろに僕の後ろを見つめている。
街灯の下、帰る場所を探している、
僕を冷たく人形が笑っていた。

其処に有ったはずのモノを、
思い出さなきゃいけないのが寂しくて……、
―霞んでく風景。―
前が、見えない。

君じゃない君を探していたんだ。
冷徹な真実は何時だって生け贄を求めるから、
ずっと暖かい雨に打たれて居たかったんだ。

緑色の世界が君を連れ
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